健康診断の結果を開けてみたものの、数字がずらっと並んでいてどこから見ればいいのかわからない、という経験はありませんか?
「A」「C」「D」といった判定記号も見ても、自分の体がいまどういう状態なのか、いまひとつピンとこないという方も多いと思います。
この記事では、結果票の読み方を表と図解を使いながら整理していきます。結果別の対応についても、一緒に確認していきましょう。

【項目別】数値が示すこととは
健康診断の結果票には、見慣れない検査項目がたくさん並んでいますよね。ここではまず、特に気になりやすい4つの項目を取り上げて、「何を見ている数値か」「基準値はどのくらいか」「高い/低いと何が心配か」をまとめました。
※ データは日本人間ドック・予防医療学会などのガイドライン(*1)を参考にしていますが、基準値は年齢・性別・体質によっても異なります。詳しくは医療機関にご相談ください。
血圧

| 項目 | 基準値の目安 | 心配なこと |
|---|---|---|
| 収縮期血圧(上) | 130mmHg未満 | 基準より高いと、脳卒中・心疾患・動脈硬化のリスクが上がる |
| 拡張期血圧(下) | 85mmHg未満 | 同上 |
「上の血圧」「下の血圧」という言い方をよく耳にしますが、正式には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」といいます。心臓が血液を押し出すときの圧力が「上」、心臓が広がって血液を取り込むときの圧力が「下」です。
加齢と血圧の関係
加齢とともに血管が硬くなるため、上の血圧が上がりやすくなるのはある程度自然な変化です。とはいえ、「年齢のせいだから仕方ない」と放置せず、基準値を意識して改善に取り組むことが大切です。
上下の差にも注目を
上と下の差が大きい場合、動脈硬化との関連が指摘されています。どちらか一方だけでなく、上下を組み合わせて確認するのもポイントです。
低血圧はどうなの?
一般的に上が100mmHg未満が「低血圧」とされます。低血圧では、めまい・立ちくらみ・倦怠感などの症状が出る場合があります。
気になるのは、「加齢とともに数値は上がったものの、もともと低血圧だったから基準値内には収まっている」というケース。その場合も「正常範囲だから安心」とは言い切れません。
血圧は一度の数値だけでなく、毎年の変化を追って見ていくようにしましょう。
血糖・HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)

| 項目 | 基準値の目安 | 心配なこと |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dL未満 | 基準より高いと、糖尿病・動脈硬化のリスクが上がる |
| HbA1c | 5.6%未満 | 同上 |
血糖値は食事の影響を受けやすいため、健診では「空腹時」に測定するのが基本です。
一方、HbA1cは直近1〜2か月の血糖の平均値を反映しているため、測定日のコンディションに左右されにくいのが特徴です。
「血糖値は正常だったけど、HbA1cが高めだった」という場合もあるので、HbA1cの値も忘れずにチェックしましょう。
HbA1cとは?
HbA1cは、赤血球の中のヘモグロビンに糖がどれくらい結合しているかを測る数値。赤血球の寿命が数か月あることから、1回の採血で直近1〜2か月の血糖の平均値が判断できるのです(*3)。
コレステロール・中性脂肪

| 項目 | 基準値の目安 | 心配なこと |
|---|---|---|
| LDLコレステロール(悪玉) | 120mg/dL未満 | 基準より高いと、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中のリスクが上がる |
| HDLコレステロール(善玉) | 40mg/dL以上 | 基準より低いと、動脈硬化のリスクが上がる |
| 中性脂肪(トリグリセライド) | 150mg/dL未満 | 基準より高いと、動脈硬化・膵炎のリスクが上がる |
コレステロールには「悪玉(LDL)」と「善玉(HDL)」の2種類があります。
LDLは多すぎると血管壁にたまって動脈硬化を進め、HDLは余分なコレステロールを回収してくれる働きをします。LDLは低いほど、HDLは高いほど良い、と覚えておくとわかりやすいです。
ホルモンバランスとLDL
なお、女性は閉経以降、ホルモンバランスの変化によってLDLが上がりやすくなる傾向があります(*2)。「急に数値が上がった」と感じた場合も、まずは毎年の変化を追って見ていきましょう。
中性脂肪とは?
中性脂肪は、食事から摂ったエネルギーのうち使われなかった分が体内に蓄えられたものです。
糖質・脂質・アルコールの摂りすぎや運動不足で増えやすくなります。日々の食事内容や飲酒量を振り返るきっかけにしてみましょう。
肝機能(AST・ALT・γ-GTP)

| 項目 | 基準値の目安 | 心配なこと |
|---|---|---|
| AST(GOT) | 30U/L以下 | 基準より高いと、肝臓・心臓・筋肉に負担がかかっている可能性がある |
| ALT(GPT) | 30U/L以下 | 基準より高いと、主に肝臓に負担がかかっている可能性がある |
| γ-GTP(ガンマ) | 50U/L以下 | 基準より高いと、飲酒のしすぎや脂肪肝・胆道疾患の疑いがある |
AST・ALT・γ-GTPはいずれも、肝臓などの細胞に含まれる酵素の量を測った数値です。細胞に何らかの異常があると血液中に漏れ出すため、数値の上昇が「異常のサイン」として読み取れます。
γ-GTPは3つの中でも特に飲酒の影響を受けやすい項目。「お酒はそれほど飲まないのにγ-GTPが高い」という場合は、食べすぎや運動不足による脂肪肝の可能性も考えられます。
【判定別】結果を受け取ったら次に何をする?
「C判定があった」「要再検査と書いてあった」……気になる判定があったものの、どう動けばいいのか分からない、そんなときは次の目安を参考にしてみてください。
| 判定 | 対応のめやす |
|---|---|
| A・B | 経過観察でOK。次回の健診まで生活習慣を意識して過ごしましょう。 |
| C | かかりつけ医に結果票を持参して相談を。 |
| D (要再検査) | 指定の期間内に医療機関で再検査を。放置すると見落としにつながることも。 |
| D (要精密検査) | より詳しい検査が必要なサイン。専門の医療機関を受診しましょう。 |
| E(治療中) | 現在の治療を継続。担当医に結果票を見せて確認を。 |
| F(緊急) | 速やかに医療機関へ。自己判断で様子を見るのは危険です。 |
※ 判定記号は医療機関や健診機関によって異なる場合があります。届いた結果票の凡例も必ずご確認ください。
よくある疑問Q&A
- 健診前に節制することに意味はある?
食事の節制などで中性脂肪や血糖値は短期間でも変化することがありますが、コレステロールや肝機能、HbA1cはほとんど変化しません。
そもそも検査結果だけを一時的に良く見せても、それは本当の意味での「健康診断」とは言えませんから、普段どおりの生活で受けるのがおすすめです。
- 受ける時期によって結果は変わる?
血圧は気温が下がる冬に上がりやすい傾向があるなど、多少の季節変動はあります。ただ大きく左右されるほどではないので、過度に気にする必要はありません。
季節はともあれ、「1年ごとに検査を受ける」ことには、病気の早期発見というメリットがあります。同じ条件で数値を比較する意味でも「毎年同じ時期に受ける」のを習慣にするといいでしょう。
- 結果票はどのくらい保管しておけばいい?
少なくとも直近3〜5年分を手元に置いておくと、変化の傾向を把握しやすくなるのでおすすめです。
紙の結果票はファイルにまとめて保管するか、スマートフォンで写真を撮っておくと場所も取らず便利です。

数値に一喜一憂しすぎず、「変化」を見ていこう
健康診断は、日々の生活を見直すきっかけにして、初めて本来の意味を持ちます。
「異常なし」だった場合も、来年の自分と比べるために結果票を手元に残しておきましょう。気になる数値があった場合は放置せず、まず判定に従って動いてみることが大切です。
今日からできること
- 届いた結果票を開いて、判定記号を確認してみる
- 昨年の結果票と並べて、変化した項目をチェックしてみる
- C判定以上の項目があれば、かかりつけ医に相談してみる
完璧な数値を目指すより、「去年と大きく変わっていない」を確認しながら付き合っていく。そんなスタンスが、長く健康でいるためのコツかもしれません。
参考情報
この記事は以下の公的機関・信頼できる情報源を参照して作成しています。
- *1 日本人間ドック・予防医療学会「検査表の見方」
https://www.ningen-dock.jp/public_method/ - *2 厚生労働省研究班監修「女性および高齢者の脂質異常症」
https://w-health.jp/old_age/dyslipidemia/ - *3 国立循環器病研究センター「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ってなに?」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/ld/endocrinology/hba1c/
※記事作成日:2026/3/2
