要介護認定を受けると、さまざまな介護保険サービスを利用できるようになります。
ただし、認定された区分(要支援1~要介護5)によって、利用できる範囲や条件には違いがあります。
実際には、ご本人の区分やご家族の状況に合わせて、ケアマネージャーさんが最適なサービスや利用回数などを計画してくれますが(「ケアプラン」)、あらかじめサービスの全体像を把握しておくと、ご本人もご家族も少し安心感が高まるかもしれません。
この記事では、介護保険サービスの全体像と、区分によってどうルールが違うのかを一覧にして解説します。
自宅から受けられるサービス
自宅での生活を続けながら、専門スタッフのサポートを受けるサービスです。
「要支援1・2」の場合は「介護予防サービス」となり、「要介護1~5」の場合とは利用ルールが一部異なります。

家事のサポート
調理、掃除、洗濯、買い物など、日常の家事をサポートします。
身体のサポート
入浴や着替えの手助け、排せつの手伝いなど、身体的なサポートをします。
「ホームヘルパー」とは?
家事の手伝いやお風呂の手助け、通院の付き添いなど、「日常生活」のサポートをする専門員です。
目的はあくまでも「本人の自立」を助けることなので、それとは関係のない作業(例えば庭掃除やペットの世話など)はお願いすることができません。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 介護予防 | 〇 介護予防 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
医療的なケア
看護師が訪問し、病状のチェックや床ずれの処理、点滴の管理などをします。
リハビリテーション
リハビリの専門員が訪問し、歩く訓練や手足の運動、食べ物を飲み込む練習などをします。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 介護予防 | 〇 介護予防 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
施設での交流やリハビリテーション
自宅から施設に通って、食事や入浴をしたり、他の利用者と一緒にレクリエーションをしたりします。
デイケアでは、リハビリテーションや医療的なケアを重点的に行います。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 介護予防 | 〇 介護予防 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
一時的な宿泊
数日から1週間程度、施設に泊まります。
ご家族の休息や急な外出の際などに、食事や入浴のサポートを受けながら過ごすことができます。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 介護予防 | 〇 介護予防 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
環境を整えるサービス
安全な生活環境を整え、できるだけ自分の力で動けるように支えるサービスです。

自宅の工事
手すりの設置、段差をなくすスロープの設置、和式から洋式トイレへの交換など、安全のための改修費を補助(上限20万円)します。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
道具のレンタル
車いす、介護用ベッド、歩行器、杖などの福祉用具を月額制でレンタルします。
一部の区分でレンタル内容に制限があり、具体的に「要支援1~要介護1」では歩行器、杖、手すり(工事不要なもの)など、「要介護2以上」ではそれらに加えて車いすや介護用ベッド、床ずれ防止マットなどを借りることができます。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 制限あり | 〇 制限あり | 〇 制限あり | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
施設に入居して受けられるサービス
自宅での生活が困難になった際に、施設に入居して受けるサービスです。

常時介護が必要な方のための、長期的に生活できる公的な施設です。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | 〇 |
病院を退院した後などに、リハビリをして自宅へ帰ることを目指すための、期限付き(基本的には3~6か月)の施設です。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
医療的なケアを常に必要とする(チューブなどで直接栄養を補給する、吸引器で痰を吸引するなど)方のための療養施設です。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
認知症の方が、専門スタッフと一緒に少人数(5~9人)で共同生活をする施設です。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
支給限度額(1か月の利用限度額)
一か月に保険適用で利用できる上限は、区分ごとに決められています。
上限を超えてしまうと、超えた分の費用は全額(10割)自己負担になるため、あらかじめケアマネージャーさんと話し合って、上限を超えない範囲でサービスを組み合わせることになります。
| 区分 | 支給限度額 (目安) | 自己負担1割の場合の 支払い(目安) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 30,938円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 |
- 上の金額は、1単位=10円として計算した概算です。
- 実際にはお住まいの地域(地域単価)によって、数千円程度の差が出ることがあります。
- 上限額を超えてサービスを利用した場合、超えた分は全額(10割)自己負担となります。
状況の変化に合わせてサービスを見直すことが大切
生活環境や心身の状況の変化に合わせて、利用サービスの内容はいつでも見直すことができます。
現在の区分でどのような調整ができるのかをこまめに検討し、必要に応じてサポート環境を整えることは、ご本人やご家族の生活を改善するためにとても大切なことです。
「今受けているサービスが生活に合わなくなってきた」
「困りごとが増えて別のサービスも検討したい」
と感じた際は、まずは担当のケアマネージャーさんに相談してみましょう。
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